餡麩三喜羅(あんぷさんきら)・愛知県

愛知県江南市大口屋本店

 愛知県江南市の老舗和菓子屋大口屋さんへ行ってきました。

文政元年創業ということですから、本店の構えも店内もそれなりの風格が漂っていますが、実はかなりど田舎にあるため本店を探すのは一苦労しました。

 

このお店は麩まんじゅう「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)」で有名です。

友人からの手土産を初めて食した際は、そのやさしい食感と品の良い甘さとすがすがしい香りにすっかり魅了されてしまいました。

普通、麩まんじゅうというと笹の葉で包まれたもののイメージが強いですが、こちらの麩まんじゅうは塩漬けにされた山帰来(さんきらい)の葉(別名サルトリイバラの葉)を使っているのが特徴です。

解毒作用や抗菌作用のある山帰来の葉は日本全土に広く分布しているため、昔から各地でこの葉っぱを使って団子やまんじゅうを包むという方法が発展しました。

 

たとえば鹿児島県全域や種子島屋久島の「かからんだんご」、福岡県では「がめの葉もち」、三重県伊勢志摩エリアの「いばら饅頭」などは有名です。

 

しかし、小麦粉や米粉を蒸して作るまんじゅう系ではなく、生麩の皮で作る麩まんじゅうで山帰来の葉っぱを使ったのは大口屋さんが元祖だそうです。

 

「生麩とこし餡を山帰来(さんきらい)の葉で包んだお菓子」=「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)

 

 

絶妙なネーミングですが、覚えるまで一苦労しました!

 

さて、そのお味はー

生麩大好き、もち系大好き人間としては、このふにょにょ食感はたまりません。

なめらかなのですが同時に弾力があり噛みごたえがある。 

もちもちしているけれども喉越しはやわらか。

さらに、なめらかなこし餡が甘過ぎないので生麩とのハーモニーは抜群です。

ここに蒸した山帰来の葉っぱの香りがほんのりとしたアクセントとなり、

 

うーん、上品な美味ですねー。

大口屋の餡麩三喜羅(あんぷさんきら)
大口屋の餡麩三喜羅(あんぷさんきら)

気温や湿度の影響を受けやすい生麩を職人さんがその技と勘で丁寧に作り上げているなーと感じられる一品です。

しかし生麩なので日持ちがしません。

賞味期限は製造日を入れて二日です。

 

だからでしょうか、このお店の開店時間は朝の8時です。(本店以外は8時半開店)

蒸しあがったばかりの「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)」がたくさん並んでいる店内には朝早い時間にもかかわらずお客さんが次々やってきていました。

 

日本全国どこにでも分布している山帰来ですが、苗から育ててみたいなと思いました。

そうすれば、麩まんじゅうや昔懐かしいだんご作りにいつでも好きな時に使うことができます。

さっそくトライしてみようと思います。

 

 

大口屋本店:愛知県江南市布袋町中67

http://www.ooguchiya.co.jp/index.html