２０２０年７月のサロン報告

★「ひと口葛アイス」

 今年の７月はアイスにしようと決めていました。

それも葛を使ったアイス、凍らせても凍らせなくても違った食感で二度楽しめる和菓子です。

 

市販されている葛アイスは、いわゆるアイスバータイプが多いようですが、和菓子の楽しみはほんの少量を「少しだけ味わう」でもありますから、今回はひと口タイプとしました。

 

お味も、マンゴー味、ブルーベリー味、ミント味、粒あん味と４種類を用意。

 

冷んやり、ツルリンの美味しいお菓子、本来なら一つの味を１つのお鍋でゆっくりと練っていき、という工程になりますが、お一人あたりの総分量はそんなに多くはありません。

合計２４個分のひと口サイズを６個ずつに分けて作るのは、少量なりの大変な作業になります。

 

練り上がった葛生地を４つに分ける。→   それぞれのフレーバーを加えてよく混ぜる。（かなり混ざりにくい）→   容器に一つずつ流し込んでいく。（もう固くなり始めている）→   へらで表面をきれいにならす。

 

ここまでの作業を葛が固まらないうちに素早く行わなければなりません。

蒸し蒸しした天候の中、火を使う作業は汗だくです。

 

出来上がった葛アイスは冷凍庫で固めて、容器に入ったアイスをそのままお持ち帰りしていただきました。（葛なので、解凍しても溶けることはありません）

 

★「うす種・夏点描」

お絵描きを楽しむ時間です！

 

うす種とは、丸くて薄いモナカの皮のようなものにねき餡など水分量の低い餡子やジャムなどをサンドしたもの。おもて面にすり蜜で模様をつけたりします。

 

それを今回は「すり蜜でお絵描きしよう」という趣向にしてみたわけです。

用意したのは各種夏向きのステンシルシート。

このシートを使って好きな絵を好きな色合いで描いていこうと。

 

小学生でも楽しめそうなお絵描きタイムではありますが、実はそんなに易しくはありません。

食用色素と水分の調整が難しく、水分が少なすぎると描きづらい、反対に水分が多くなると滲んでしまう。

 

ちょうど良い塩梅を見つけるのに少し時間がかかりますが、加減さえわかってしまえばとても楽しい作業です！

 

出来上がったうす種にサンドしたのは、「ラムネねき餡」です。

淡い空色とラムネの爽やかなお味はなかなか好評のようでした。

 

★「ほうじ茶和クッキー」

「健康和菓子」第二弾にもなりうる和風クッキーを考えました。

 

ほうじ茶パウダーの香ばしい香りとトッピングに使用したドライクランベリーの酸味が絶妙な組み合わせです。

 

クッキーというと小麦粉を思い浮かべますが、和クッキーで使うのは上用粉ともち粉と浮き粉です。

つなぎとしてバターや卵は使いません。和風ならではの素材を使います。

 

とてもシンプルにそして簡単かつ美味しく仕上がる和クッキーは、様々な素材での応用もできそうです。

 

真夏のクッキーとしては色合いがちょっと暑そうな感じがしましたので、オブラート粉で「夏の朝」のようなキラキラ感を出しました。

 

 

★じっくりラボ「練り切り・うちわ祭り」

月に一度のじっくりラボ、７月は「夏の練り切り」です。

 

制作は全て団扇（うちわ）にしました。

うちわを３種類６個作ります。

 

もちろん毎回と同様、求肥を作り、練り切り生地を練り上げるところからスタートです。

 

今回は貼りぼかし、内ぼかし、外ぼかしなどのぼかしの技法に挑戦です。

 

中骨部分を作りますので、本来の練り切りよりも小さいサイズとなるぼかし作業は少しやりづらさがありました。

またパーツが細かいのでかなり集中する時間が続きましたが、３時間かかって参加者３名それぞれのうちわが完成しました！

 

見本とは全然違う作品を作る参加者もいて、それぞれの感性、アイデアが花咲く練り切り制作は、毎回アートの世界への入り口でもあります。

  

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暑くてジメジメした梅雨空が続く７月でしたが、ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました。